アッヴィ(ABBV)の株価が50%超え!しかし、主力製品「ヒュミラ」の恩恵は2020年まで。


アッヴィはこれまでのところ、2017年度の最高のパフォーマンスを誇るヘルスケア株の1つです。この株式は今年だけで年率50%も上昇しています。

同社は、主力製品「ヒュミラ」の大きな成功のおかげで、2桁の数字で収益を伸ばしています。

この記事では、アッヴィのビジネスモデル、成長の可能性、将来の期待収益について説明します。

事業の概要

アッヴィは世界的な製薬企業です。同社は1490億ドルの時価総額で、世界170カ国以上でその製品を販売しています。

アッヴィは、配当金貴族であるアボット・ラボラトリーズ(ABT)から2013年に独立して誕生しています。

アボット・ラボラトリーズ(ABT)投資家が得られる今後の期待収益

2017.10.16

アッヴィの主要となる事業セグメントは医薬品です。免疫学、腫瘍学、女性の健康などの治療分野に焦点を当てています。

同社はアボット・ラボラトリーズから分割されて以来、優れた成長を見せています。

ABBVの成長

(出典:2017 AbbVie戦略的アップデート、5ページ)

2013年から2017年にかけて、アッヴィの売上高および調整後利益は治療薬「ヒュミラ」の成功のおかげで、それぞれ11%および16%の複合年率で上昇しました。

また、2016年は優秀な成績を収めています。「ヒュミラ」の収益は2016年に16%増加して160億ドルとなっています。そのおかげで、アッヴィの収益と調整後の1株当たり利益は、それぞれ13%と12%増加しました。

成長の見通し

アッヴィは2017年に引き続き好調な業績をあげており、今後も成長の可能性があります。

第3 四半期の総売上高は8.8%増の70億ドルでした。成長率は主に「ヒュミラ」によるもので、第2四半期の売上高は15%増加しました。調整済みの1株当たり利益は17%増加し、優れた利益成長率を達成しました。

2017年には、5.53ドルから5.55ドルの範囲での1株当たり利益が期待されています。現時点で、経営陣は今年15%の利益成長を予想しています。

「ヒュミラ」は、関節リウマチ、プラーク乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎などのさまざまな状態を治療するために使用される多目的薬剤です。

「ヒュミラ」は同社の中で最も重要な成長要因ですが、これは今後変わる可能性があります。アッヴィは、2016年に米国でヒュミラの特許切れとなっていて、2018年には欧州で特許を取得する予定です。

ABBVフミラ

(出典:2017 AbbVie戦略的アップデート、11ページ)

これは、主力製品である「ヒュミラ」が同社の収益の3分の2を占めているため、アッヴィにとって重大なリスクです。

アッヴィの経営陣は、2020年までは「ヒュミラ」が高い成長率を維持し続けると考えています。その後、新製品の開発が期待されます。

アッヴィは、「ヒュミラ」が2020年までに約180億ドルの収益を生み出すと予測しています。2020年以降、ヒュミラの減少のカバーとさらなる成長のために、新薬を市場に投入することで25〜300億ドルを生み出す予定です。

同社は2020年までに20の新製品などを発売する予定です。また、コスト削減の準備も進めており、年間1%から2%の営業利益率の拡大が実現します。

これらの成長触媒を組み合わせることで、10年後の2桁の調整済み利益の伸びが期待されます。

競争上の優位性と不況のパフォーマンス

アッヴィや他の製薬会社にとって最も重要な競争優位性は、特許ポートフォリオです。

医薬品大手は、大ヒット製品(ブロックバスター)のひとつが特許保護を失ったときに、新薬や治療法を開発するために多大な費用を費やす必要があります。

そのパイプラインを構築するために、つまり「ヒュミラ」の喪失に備えるために、研究開発費を加速させました。過去数年間の研究開発費は以下の通りです。

  • 2014年の研究開発費33億ドル
  • 2015年の研究開発費43億ドル
  • 2016年の研究開発費44億ドル

幸いにも、アッヴィは堅牢なパイプラインを持っているため、この支出は肯定的な結果を示し始めています。

ABBVパイプライン

(出典:2017 AbbVie Strategic Update、15ページ)

アッヴィはもともとアボット・ラボラトリーズの一部であったため、リーマンショック中にどのような経営状況だったかは不明です。

しかし、アッヴィのビジネスを考慮すると、不況時にどんな反応を示すのか想像がつきます。

処方箋薬や医療用品は、安定した需要が見込めます。消費者は、景気が低迷しているときでさえ、健康管理をしないという選択はできません。

その結果、景気後退中のアッヴィの収益の低下は穏やかなものであると合理的に仮定することができます。

評価と期待リターン

2017年のアッヴィの収益ガイダンスの中間点では、現在、株式の株価収益率は17倍で取引されています。

アッヴィは、S&P500指数の平均株価収益率である25倍を大きく下回っていますが、過去5年間の過去平均と比較するとプレミアムな価格で評価されています(アッヴィは2013年まで上場企業ではなかったため、10年間のデータは入手不可能。)

ABBV評価

(出典:バリューライン)

過去5年間で、アッヴィは14.9倍の株価収益率で取引されていました。つまり、この株式が5年間の平均評価額に対して約14%のプレミアムで評価されることを意味しています。

優良なビジネスと強力な成長の見通しを考えれば、アッヴィは現在よりも高い評価を受けることができると主張することができます。

アッヴィへ投資した際の収益は、「ヒュミラ」の高い収益性への信頼と、平均より14%高い評価を受けている現状を踏まえて、事業収益の成長と配当の結果に左右されます。

投資家は、アッヴィが依然として利益と配当を増やしているので、満足のいくリターンを生み出す機会がまだあるということを覚えておく必要があります。

潜在的な将来の収益の内訳は次のとおりです。

  • 3%〜5%増収
  • 1%のマージン拡大
  • 2%の自己株式取得
  • 配当利回り3%

この予想では、アッヴィの株主総収益率は、毎年9〜11%に達します。なお、この予想に株価収益率(PER)の上昇・下落の影響は含まれません。

比較的控えめな予測であっても、アッヴィの年間収益合計は2桁に達する可能性があります。

最終的な考え

アッヴィは医薬品のパイプラインと成長の可能性が高い優良ビジネスです。また、株主に優しい会社であり、株式買戻しと配当を通じて過剰なキャッシュフローを投資家に還元します。

アッヴィの唯一の欠陥は評価です。株価は年初来50%上昇し、株価収益率を倍増させ、配当利回りも低下させました。

そのため、投資家は押し目待ちという行動を取りそうですが、2020年までは「ヒュミラ」の安定した収益が確実なので、目立った押し目というのは現れないかもしれません。

アッヴィは依然として配当を成長させている配当成長株であることも忘れてはいけません。ここ1〜2年での購入を考えているならば、今購入して、その恩恵を受けるのがベターだと思われます。

2020年以降、ヒュミラの効能が切れてきたタイミングではどうかという考えもあります。しかし、アッヴィは2020年以降の新薬の投入により25〜300億ドルと見込んでいます。

もし、期待通りに上手くいった場合、株価はさらに上昇していく可能性があります。そうなれば、機会損失になります。

逆に、新薬の売れ行きが良くなく、25億ドルだったとするならば、株価は急落するリスクがあります。(ただし、2020年以降もヒュミラの売り上げが0になるわけではない)

この辺りの判断が製薬会社への投資で難しいところです。製薬会社の運命を左右するのは新薬の成功にかかっているからです。

しかし、これは上述した通り、アッヴィは堅調なパイプラインを持っており、毎年多額の研究開発費を投じています。そして、その結果は徐々に良い方向に出始めてきています。

つまり、ここ数年以内にアッヴィを投資対象としているのであれば、今のタイミングで購入するのは悪くない判断であり、同社の四半期報告や情報サイトなどで新薬の進展状況をチェックしていくことをオススメします。

Jack
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