時間加重収益率(厳密法)の計算方法


以前、修正ディーツ法の計算方法は記事にしました。

 
その中で
厳密法以外の計算方法はあくまでも厳密法の近似値を求めるための簡便な方法にすぎないと書きました。

 

今回は
ファンドの運用成績などで用いられる真の時間加重収益率を求める日次厳密法を
修正ディーツ法の説明のときと同じ具体例を挙げて説明したいと思います。
 

 厳密法の計算式

 
厳密法の計算方法について
改めて式を確認したうえで計算してみたいと思います。
 
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出典:企業年金連合会

 具体例をもとにした計算

例)以下の運用状況のとき、
7月の収益率を厳密法を用いて計算する
キャッシュフロー発生直前の時価総額は前日のデータを用いることとする
 
 
6月30日 時価総額            ¥1,000万円
7月 9日 時価総額            ¥1,002万円
7月10日 証券口座へ入金 ¥     10万円
7月24日 時価総額            ¥1,027万円
7月25日 証券口座から出金   ¥50万円
7月31日 時価総額               ¥980万円
 
※修正ディーツ法の計算のときと同じように外部からのキャッシュイン(口座への入金)はプラス、外部へのキャッシュアウト(口座からの出金)はマイナスとして計算式に当てはめます。
 
※証券の売買は現金と証券が入れ替わっただけで、時価総額は変わらないのでキャッシュフローには含まれません。
 
※配当金はインカムによる収益となりキャッシュフローには含まれません。
 
※正確にはキャッシュフロー直前の時価総額を使うことになっていますが、前日の時価総額でも構いません。
 

 計算式への当てはめ

厳密法=
(1,002万円÷1,000)×{1,027万円÷(1,002万円+10万円)×{980万円÷{1,027+(-50万円)}
 
=1.002 × 1.014822 × 1.003071
=1.019974

 

となり、
この数字から元本である1を引き、%表示にするため100を掛けてやると、
 
(1.019974-1)×100=2.00%

 

よって
7月の収益率は2.00%だったことがわかります。

 

式を見てもらうとわかる通り、
キャッシュフロー毎に期間を区切り、
その期間の収益率をそれぞれ求め、
それをリンクさせてトータル期間の収益率を導いています。

 

ここに時間加重収益率の意味があります。
こうすることにより、
キャッシュフローによる収益率への影響を排除しているわけです。

 

 
修正ディーツ法では
1ヶ月の収益率を求めるときに内部収益率リンク法(金額加重収益率)を用いるため、
どうしてもキャッシュフローの金額の大きさに影響を受けてしまいます。

 

しかし、
厳密法ではキャッシュフロー毎に時価総額を求め、期間を区切り計算しているため、
金額の大きさによる影響を受けません。
 
正に真の時間加重収益率の計算方法といえます。

厳密法を使って
自身の収益率をExcelで記録しよう!

上の例)をもとにExcelで表を作ってみました↓
{6E50E963-FC4D-4B53-9B00-E387058ED52B}
{8392CBD0-5B69-4758-9441-05350518D7C3}
{34B28E26-4B54-4477-A7B4-0540C062B119}
{BFDD306A-1BB8-42B4-9367-57F53E316F08}
 

※収益率(月別収益率)の欄は後々リンク計算し易いようにあえて(-1)も(×100)も計算せずにそのまま表示しています。

※PRODUCT関数は()内の積を求める関数です。

 

こうしてみると、
時価総額を記録する手間はありますが、
修正ディーツ法のときのように残存期間と平均残高を求める計算が省けるため、
トレードオフかなと思います。
 
表もスッキリするし、計算式の挿入も楽です。
 
時価総額の記録については
投資信託だったら購入している投信の約定日を全て揃えておけばよいし、
株式の購入であれば、
購入しようと思う前日(直前でもよい)に記録すればよいのでそこまで問題ない気もします。


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