リスク(標準偏差)の計算方法


リスクは、危険性を表す言葉として一般的に広く使われています。しかし、資産運用(投資)においては、将来のリターンの不確実性(変動性)のことを指します。

 投資の世界におけるリスクは、結果が不確実であることを意味し、損失と利益の両方の可能性を含みます。また、その結果(損益)の変動幅が小さければ「リスクが低い」、一方で変動幅が大きければ「リスクが高い」となります。
 
つまり、投資においてのリスクとは「リターンのばらつき」を指します。
 

分散と標準偏差を求める式

 
 分散とは、「平均との差の2乗」を平均したものです。2乗にしているため、平均からの差がプラスであれマイナスであれ、各データが平均から離れていればいるほど分散の値は大きくなります。
 
つまり、分散とは「ばらつきの度合い」を表す特性値です。そして、分散の正の平方根をとったものを標準偏差と言います。
 
よって、標準偏差とは分散と同様に「ばらつきの度合い」を表す特性値であり、データの散らばりが大きいほど標準偏差の値は大きくなります。
 
データの個数を n 、データの平均値をE(X) とすると、
 
 
上の式は次のように変形できます。
 
 
(変形式の方が計算が楽なので、こちらの式を使うと良いかと思います。)
 
そして、標準偏差は「標準偏差=√分散」で求めます。
 

具体例

 
 
⬆︎の資料を見ていただくと、A株式とB債券でリスク(リターンのばらつき)が全く違うことがわかると思います。しかし、実際の平均リターンではどちらも1.00%です。
 

月間平均収益率

分散値を求めるためには、まずデータの平均値E(X)を求める必要があります。今回は1〜12月までの測定期間で分散値を求めるので、その期間の平均値を計算します。
 
A株式
 
E(X)={(-2.0)+5.0+6.0+・・・+4.0} ÷ 12=1%
 
B債券
 
E(X)={1.3+0.9+0.8+・・・+1.3} ÷ 12=1%
 
 

分散と標準偏差

それではA株式を上述した式に当てはめてみましょう。
 
変形式では
 
これでA株式の分散=13%だったとわかります。
そして標準偏差は√13=3.61%となります。
 
 
 
同様にB債券も計算すると
 
分散=0.05%
標準偏差=0.22%
 
となります。
 
 
これでA株式とB債券の標準偏差値が出揃いました。
 
アセット A株式 B債券
リターン 1% 1%
分散 13% 0.05%
標準偏差 3.61% 0.22%

表で見比べると違いがわかりやすいかと思います。リターンはどちらも1%で同じですが、リスクを表す標準偏差は、およそ16倍もの違いがあります。

標準偏差でわかること

標準偏差は「リターンのばらつき」と上述しましたが、それを知って何がわかるのか?

標準偏差は、平均リターンを中心に約7割の確率(一般的に)でどの程度のブレが起こるのかがわかります。

例えば平均リターンが 5% で標準偏差 10% なら、約7割の確率でリターンが -5% から 15% の範囲内に収まるということになります。(5%±10%)

標準偏差を把握することは、いつ起こるか分からない金融危機などの市場暴落時のポートフォリオの耐性、そのポートフォリオのリスクが自身のリスク許容範囲に収まっているか、ベンチマークとの騰落率の比較、出口戦略(現金化が近いのに高リスクな運用をするのは危険)など、様々な参考データを手に入れることに他なりません。

Excelを活用した計算

ここまでややこしい計算の解説をしてきましたが、毎回こんな計算をしてまで自身の投資リスクを確認するのは大変だと思いませんか?

安心してください。Excelを使えば簡単に標準偏差を求めることができます。

STDEVP関数を使う

これを使えば一瞬で計算できます。実際にExcelで作成してみました。⬇︎

リスクを把握することは資産運用においてとても重要です。リスクを知ることで、自身の資産運用の目標に対して、今後、ポートフォリオの構成比率をどう調整していくと良いかという判断の参考になります。

私はまだデータが少なく、あまり参考になりませんが、今後データが蓄積されてきたときにインデックス指数などと比較する際にとても役立つことでしょう。

これを機に、訪問者様も自身のポートフォリオリスクの把握をしていくことをオススメします。


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