時間加重収益率(修正ディーツ法)の計算方法


〜前置き〜
 
この記事では、分かりにくい修正ディーツ法をできるだけ分かりやすく解説し、実際に計算できるようになるまでを目指します。
 
重複している説明もあるかと思いますが、最後までお付き合い下さい。

 

なお、
修正ディーツ法はキャッシュポジションも投資判断とみなし、ポートフォリオパフォーマンスに含めることを前提としています。
 
つまり、
計算する際は時価総額に口座内のキャッシュポジション(現金)の金額を含めることとし、証券口座への入出金が発生した時点をキャッシュフローの計算対象として考えます。
 
投資信託の場合、
この先の説明であるように、口座入金時点をキャッシュフローとして扱うのではなく、投資信託の約定ベース(約定日)をキャッシュフローとして考えてもよいと思います。
 
もちろん、
スポット買い用の軍資金として口座に待機させてある場合は、まさしくキャッシュポジションとなりますので、 口座へ入金した時点をキャッシュフローとして扱うことになります。
 
〜本題〜

 

では本題に入ります。
 
おさらいですが、
時間加重収益率は投資金額にかかわらず、同じ運用をすれば同じ収益率が算出されるという特徴があります。
 
なのでポートフォリオパフォーマンスを評価するのに適した収益率であると以前記事にしました。
 
時間加重収益率といっても、様々な計算方法があります。
 
その中で本当の意味で時間加重収益率と呼べるのは「日次厳密法(厳密法)」だけです。
厳密法を前にすれば、他の計算方法はあくまでも厳密法の近似値を求めるための簡便な方法にすぎません。
 
しかし、
厳密法による計算は精度が高いという反面、キャッシュフローが発生するたびに時価総額を記録していかなければ、正確な収益率が求められないという欠点があります。

 

修正ディーツ法とは

 
 
そこで、
計算を楽にするために、時間加重収益率には「内部収益率リンク法」という計算方法が存在します。
 
これは1ヶ月単位で収益率を金額加重収益率を用いて求めたうえで、それをリンクさせて一定の期間の収益率を求める方法です。
 
そして、
この1ヶ月毎の収益率を求める精度の高低により、幾つかの計算方法が存在するわけですが、修正ディーツ法はその中のひとつだということです。
 
修正ディーツ法の正式名称を
単利内部収益率リンク法」と呼びます。
 

時間加重収益率を求める複数のメジャーな計算方法

真の意味で時間加重収益率の計算を行う
・「厳密法
単利内部収益率リンク法を用いた
・「修正ディーツ法
・「ディーツ簡便法
複利内部収益率リンク法を用いた
修正BAI法

複利内部収益率リンク簡便法

 
今回はこの中から、

時間加重収益率の中でも広く認知され、個人投資家の間で手間と精度を天秤にかけた時にバランスが良いと評判の「修正ディーツ法」を解説していきます。

修正ディーツ法の計算方法

 
 
まず、計算に必要な材料を確認します。
 
①前月末時価総額
②当月末時価総額
③月中キャッシュフローの合計
④月中各キャッシュフローの日付
 
*時価総額にはキャッシュポジションも含めます。
キャッシュポジション
口座に入金後、まだ証券化していない現金(再投資前の配当金や株式購入時の余った端数金、運用に回すための現金、買付余力)とします。
厳密法ではキャッシュフローの度に時価総額を確認して、その都度計算をしておく必要がありますが、修正ディーツ法では必要ありません。上記の①〜④を把握していれば月末にまとめて計算することができます。
 
さて、上記材料を確認したうえで、求める式は以下となります。

修正ディーツ法=
(②ー①ー③*)÷(①+③×④*)

 
*③の月中キャッシュフローの合計を求める式に実際に数字を当てはめる際は下記のように扱います
 
・「証券口座への入金額
この増加分は外部からの追加資金であり、収益に当たらないので差し引く。
つまり、②ー①ー(証券口座への入金額)。
・「証券口座からの出金額
この減少分は時価の目減りではなく、収益とは関係がないので戻す。
修正ディーツ法の式の収益率の分子ではキャッシュフローを引く項に当てはめることになるので、出金額を収益に戻す(加える)ためには、これをマイナスのキャッシュフローとみなす必要がある。
つまり、②ー①ー(ー証券口座からの出金)
・「株式などの購入金額
口座内のキャッシュが証券に変わっただけなので、実質的に時価総額に変化は無くキャッシュフローとはいえず、計算に含める必要はない
・「株式などの売却金額
上述した「株式などの購入金額」の扱いと同じ
・「配当金
→配当金は収益であり、キャッシュフローに含まれない。
 
株式などの売買金額については証券口座へ入金した時点でキャッシュフローとみなすため(キャッシュポジションも時価総額に含める必要があるため)、証券口座の入出金額との重複を避けるためにも計算には含めない。
 
ただし、
キャッシュポジションを時価総額に含めずに収益率を求めたい場合は、逆に証券口座への入出金額は計算に含めず、株式などの売買金額を計算に含める必要があります。
 
 *④を式に当てはめる際は、キャッシュフローを、存在した(存在しなかった)日数分だけウエイト付けするために、[キャッシュフローの発生日から月末日までの日数÷月日数]と計算する。
 
この式の分子(②-①-③*)は収益を表しています。期中の時価総額の増減分のうち、キャッシュフローによる増減は収益とはいえないので除外します(②-①-③*)。
 
この式の分母(①+③×④*)は時価総額の月中平均残高を大雑把に表しています。なぜ大雑把かというと、厳密法と違い、毎日の時価がわからないので厳密な日々の時価平均残高はわからないためです。
 
修正ディーツ法では④を当てはめる際は、
④*のように日数分だけウエイト付けして前月末時価総額に足して求めることになります。
 
 


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