組入予定銘柄をS&P500指数と比較(ヘルスケアセクター編)


今回は「組入予定銘柄を S&P500 指数と比較」第五弾。最終回は生活必需品セクター編になります。

前回はこちら⬇︎

組入予定銘柄をS&P500指数と比較(生活必需品セクター編)

2017.08.22

ヘルスケアは、生活必需品と同じく私が非常に重要視しているセクターです。個別銘柄の目標ポートフォリオでは、ヘルスケアセクターの比率を 25% としています。

理由はもちろんヘルスケアがディフェンシブ銘柄にあたり、過去の歴史を振り返ると市場平均を上回ってきたためです。

ポートフォリオに占める割合が大きいため、全体のパフォーマンスに与える影響も大きくなります。リスクを軽減するには、より複数の銘柄に分散させるほど効果的ではあるのですが、私は銘柄数を 10 社程度に減らしたいと考えています。

現在、候補としているのは JNJ・PFE・MRK・ABBY・BMY の5つですが、これを 2〜3銘柄に絞り込めたらと思います。

注意
IVVの株価推移は配当金(税引前)を再投資したと仮定して算出したものです。

個別銘柄は配当金再投資をしたと仮定した株価推移ではないので、個別銘柄のパフォーマンスの方が不利になることを前提に比較しております。

ジョンソンアンドジョンソン(JNJ) VS IVV

素晴らしい!現在の強気相場でもディフェンシブ銘柄ながら強い伸び率を見せています。ヘルスケアセクターでは鉄板銘柄でしょう。実を言うと、JNJは組入予定ではなく組入確定しています。安定感が半端じゃありません。

ジョンソンアンドジョンソンの事業ポートフォリオは大きく分けて、医薬品・医療機器・一般消費者向け製品の3つで構成されています。医薬品と医療機器で80%、一般消費者向け製品で20%となります。

ジョンソンアンドジョンソンで言う一般消費者向け製品とはバンドエイド・ベビー用品・スキンケア用品・オーラルケア用品などを指します。

20%ですが、この会社の規模で売上の20%というと、130億〜140億ドルということになりバカにできません。ジョンソンアンドジョンソンの魅力はヘルスケアだけではなく、一般消費者向け製品もポートフォリオに含んだ総合ヘルスケアカンパニーであることです。

近年、薬価引き下げが不安視されていますが、ジョンソンアンドジョンソンは幅広いポートフォリオを抱えているので、もし薬価引き下げが実現した場合でも、他のヘルスケア銘柄と比較してリスクが軽減されるのではと考えられます。

現在はPER 22.8倍、配当利回り2.4%となっています。

ファイザー(PFE) VS IVV

ファイザーも文句なしです。ファイザーは医薬品売上が大部分を占める製薬会社となります。つまりブロックバスターを開発できるかどうかが命運を分けることになります。

ブロックバスター
画期的な薬効を有し、他を圧倒する市場シェアを獲得して、莫大な売り上げにより利益を生み出しす「新薬」を指す言葉。

代表的なブロックバスターではメルク(MRK)のがん治療「キートルーダ」、アッヴィの関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」などがあります。

しかし、このクラスの製薬会社になると、いざとなればM&Aでカバーしてくるので、ブロックバスターの開発については、そこまで心配する必要もないのかなと思います。なぜならファイザーがそうだからです。

現在はPER 24.2倍、配当利回り3.8%です。

M&A
Mergers(合併)and Acquisitions(買収)の略称です。つまり「企業の合併買収の略称」のことを指します。なお、一般的には合併・買収だけでなく、提携までを含めます。
M&Aの手法には株式譲渡・新株引受・株式交換、事業譲渡、合併、会社分割などの様々な手法があります。 

メルク(MRK) VS IVV

こちらもファイザーと同じく医薬品オンリーの事業ポートフォリオとなります。がん治療薬「キートルーダ」やC型肝炎治療薬などの新薬販売が好調で株価も右肩上がりです。

競合はブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)のがん治療薬オプシーボとなります。どちらも画期的な治療薬ですが、メルクのキートルーダが一歩リードしています。

医薬品というのは20年で特許が切れてジェネリック薬に変わっていくわけですが、キートルーダについては2017年に発売されたばかりなので、当分は安心していられますね。

ジェネリック医薬品
開発品の特許期間が満了した後で発売された同等の医薬品のこと。成分が等しく値が安い後発医薬品を指します。

現在のPER 33.7倍、配当利回り3%です。

個人的にはこれから買付するには、遅かった銘柄だと思いました。割高とは思いませんが、逆張りフェチの私としては、すでにブロックバスターを織り込んだ株価で買付していいものか悩みます。

アッヴィ(ABBV) VS IVV

チャートが2013年から始まっているのは、アボット・ラボラトリーズ(ABT)の新薬開発部門が分社化して生まれたのがこの年だったためです。

アッヴィは主力医薬品ヒュミラが16年に特許切れになったわけですが、株価は維持されているようです。ヒュミラの売上が7割近い比率だったと思うんですが、痛いです。

しかし、2020年頃までの世界中の医薬品売上高予想はトップとなっています。新たな新薬を開発できなければ自然と株価は下落していくと思われます。

この辺りはアッヴィの IR で詳しく見てみないとなんとも言えません。ただ、2020年以降の売上が未知数(悪い意味で)なので、今のタイミングで長期投資用に買付するのはちょっと厳しいと思いました。

本来ならより幅広い事業ポートフォリオを持つ本体のアボット・ラボラトリーズの方が長期投資には向いていると思われるんですが、財務指標の方がなんだかパッとしない印象があるので、私的には選択肢に入れていません。

現在はPER 17.6倍、配当利回り3.47%となります。ちなみにABTの方は、PER 77.7倍、配当利回り2.12%となっています。

アボット・ラボラトリーズは心房細動、心不全、器質的心疾患、慢性痛分野といった高成長市場に強みを持っていて、製品ポートフォリオの拡充も加わり、中期的な収益強化が期待できる優秀な銘柄とはいえ、上述した高PERが触手が伸びない原因の1つです。

ブリストル・マイヤーズ(BMY) VS IVV

小野薬品工業と組んで開発したオプジーボで有名ですね。BMY も医薬品オンリーの事業ポートフォリオとなります。今後はオプシーボの行く末が木になるところです。

2016年の中頃に株価が急落しているのはオプシーボの臨床試験が失敗したという結果に影響を受けています。しかし、臨床試験の失敗はあくまで非小細胞肺がんに対するファーストライン治療としての「オプジーボ」単剤療法の可能性を探った臨床第3相(P3)試験においてです。

それ以外の試験は全て成功していますし、ブロックバスターとしては申し分ない医療薬であることは間違いありません。今後オプシーボが伸びてくるようなら、今の株価は買い時と言えるかもしれません。

現在はPER 21.0倍、配当利回り2.69%となります。

5銘柄とIVVの比較


ヘルスケアセクターではここに選んだどの銘柄も素晴らしいパフォーマンスを見せています。正直どれも美味しい銘柄に思えます。

選択は難しいですが、1つは一般消費者向け製品をポートフォリオに組み込んでいるジョンソンアンドジョンソンで決まりとして、もう1つはもう少し考慮が必要と改めて思いました。

医薬品をメインの事業ポートフォリオとしている製薬会社は、ブロックバスターの開発成功、もしくはM&Aが事業利益拡大のセオリーとなっていますので、正直私には先が読めません。まだまだ勉強が必要です。


さてここまで5回に渡り組入予定銘柄をS&P500 (IVV) とチャートで比較してきましたが、1つ言えることは、長期投資といえど買付のタイミングはある程度考慮しておくべきだということです。

例えば、ジョンソンアンドジョンソンでいうと

2009年の頭に買付していた場合、現在でも市場平均を下回っています。

しかし、

2011年の中頃に買付していた場合は、現在でも市場平均を上回るパフォーマンスを残せています。

もちろん、配当金再投資や機会損失のリスクを考えれば、⬆︎の JNJ と SP500 程度の差ならどうにでもなります。しかし、自身が選択した銘柄が市場平均より大きく差が開く可能性もあるわけですので、全く無視することは勿体無いないでしょう。

ある程度タイミングを測って買付することで、多少のパフォーマンスの上下は修正可能(と言うよりパフォーマンスは上がる)ですので、個別銘柄の買付では割安株(バリュー株)投資法を有効活用していきたいですね。

 


6 件のコメント

    • ロト様 コメントありがとうございます。

      こちらのグラフは海外版「Yahoo!Finance」サイト内のチャートになります。

      「https://finance.yahoo.com」でホーム画面へアクセスし、画面一番上に表示してあるサイト内の検索窓でティッカーシンボルを入力すると、指定の銘柄情報が確認できます。
      指定された銘柄情報の画面が開いたら、「概要」のメニュー内右側にチャートが表示されていますので、一度「全画面表示」をクリックして大きなチャート画面にします。
      すると、画面上部に「新しいチャート機能をお試しください」と表示が出るので、クリックすると記事で公開している最新のグラフチャートが活用できます。

      一応、最新のグラフチャート機能が使えるページ直のURLも記述しておきます。→「https://beta.finance.yahoo.com/chartiq/IVV」

      最初に指定されている銘柄がIVVになっていますが、検索窓でご希望の銘柄を指定していただければ変更可能です。
      チャートの比較については、チャート画面内にある「比較」メニューから銘柄を追加することができます。

      この度はコメントありがとうございました。
      これからも少しでもお役に立てるよう頑張りますので応援よろしくお願い致します。
      また、何かありましたらお気軽にコメント頂けると嬉しく思います。

      • ご丁寧にありがとうございます。
        これって、配当が下の方に表示されてますが、これを含めたグラフって表示できないんですかね?
        配当の額が違うETFを比較するときはけっこうズレちゃうなーという気がして困ってます。

        • ロト様 コメントありがとうございます。

          ご指摘ごもっともです。私もできれば配当込み指数での比較をしたかったんですが、方法が分からず、そのまま比較していました。
          調べてみると、海外版のモーニングスターで比較ができるようでしたのでご報告いたします。

          サイトURLは以下になります⬇︎
          →「http://www.morningstar.com」

          ①上記URLでホーム画面にアクセスしたら、画面上部にある検索窓「seach」からご希望の銘柄のティッカーを入力します。
          ②指定したティッカーに当てはまる候補が表示されますので、選択してクリックします。
          ③選択した銘柄の株式情報ページに画面が切り替わったら、メニューにある「パフォーマンス」をクリックします。
          ④画面下に「 S&P500 TR USD 」と、自身が選択した銘柄と同じセクター(例えばP&Gなら、家庭用品および個人用品のような)のインデックス指数との比較が、チャート・グラフの2種類で表示されます。

          *S&P500 TR USD とは、S&P500 のTR(トータルリターン)指数を意味しています。つまり、配当込み指数です。USD とはドルベースということです。

          *比較銘柄の追加は、チャートメニューに「比較」という項目がありますので、そちらをクリックして、ティッカーを追加して頂くと、複数の銘柄で比較ができます。

          今回は、私も気になっていたところをご指摘頂きありがとうございました。
          私自身、良い勉強になりました。
          前回に引き続きコメント頂き嬉しく思います。
          また、何かありましたらお気軽にコメント下さい。お待ちしています。

          • わお、これ素晴らしいですね。
            本当にありがとうございます、助かりました。
            僕もOpen Cageさんのアルバトロスに最近テーマ変更してブログをやっているので、このサイトに勝手に親近感を持ってました。笑
            これからも読ませていただきます。

          • ロト様 返信ありがとうございます。

            投資家向けのサイトは、往往にして日本版よりも本家海外版の方が充実しているので、念のため確認してみたらありました 笑
            お役に立てて良かったです。

            ロト様も Open Cage を利用されているんですね。アルバトロスは兄弟ブランドなので仲間ですね。(勝手に仲間と思っています 笑)
            Open Cage のテーマは運用側に扱いやすく、またユーザーフレンドリーなので好感が持てますよね。
            アフターフォローもしっかり対応してくれますし、私は何度か問い合わせてお世話になりました 笑
            今でも Open Cage を選んで良かったなと思っています。

            こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。
            また何かありましたら、お気軽にコメントお寄せ頂ければと思います。

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