NISA口座でADRは配当再投資戦略にうってつけ!


配当再投資戦略を行う上で、最強の組み合わせがあります。

それはNISA口座ADRを利用するという方法です。

ADR
ADRとはAmerican Depositary Receiptの略で、「米国預託証券」といいます。米国の投資家が海外企業に投資するために発達した制度を指します。

例えば、

米国の銀行Aがイギリスの証券取引所でB社の株式を取得
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取得したB株を現地イギリスの銀行に保管を依頼
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保管されたB社の株式を裏付けとして、米国の銀行AがB社のADR(預託証券)を発行
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米国の証券取引所に上場

というのが基本的な流れになります。

NISA口座を利用すれば国内課税20%を免除できることが最大の魅力です。これはキャピタルゲイン及びインカムゲインの両方に効果があります。

NISA口座を利用するのであれば、その枠の範囲(年間120万円を上限)からキャピタルゲイン(値上がり益)狙いよりもインカムゲイン(配当益)狙いで活用していくのが有効です。

つまり、長期投資が前提というわけです。

しかし、NISA口座でを利用しても他国の源泉徴収は差し引かれます。例えば、米国株へ投資をする場合は、米国の現地課税10%が引かれることになります。

補足
特定口座であれば、2国間の租税条約により、労働者であれば確定申告をすることで外国の源泉徴収分が返還されます。

注意点:所得額に応じて返還されるパーセンテージが変わります。外国の源泉徴収分のうち全額返還するためにはそれなりの所得が必要となります。

詳しくは、国税庁ホームページ「外国税額控除を受けられる方へ」PDF

そこで、NISA制度のメリットを最大限活用するために、配当にかかる源泉税率が低い国の銘柄から選ぶ必要があります。

NISA口座を利用して源泉税率が低い国の優良な銘柄へ投資するメリットは、配当金を100%受け取ることができ、あなたの資産形成をより効率的に行うことができることです。

配当金にかかる各国の源泉徴収率から選別

国名源泉徴収率
イギリス0%
インド0%
オーストラリア0%
ブラジル0%
香港0%
日本10%
アメリカ10%
中国10%
オランダ15%
メキシコ15%
カナダ15%
ベルギー30%
スイス35%
注意
*念のために、ご自身で正確なデータの確認をお願いいたします。

配当再投資戦略を活用するなら、配当にかかる源泉税率はせめて10%以下の国から選びたいところです。せっかくの高配当銘柄であっても、現地国にあまりにピンハネされた配当では魅力は少なくなってしまいます。

⬆︎の表から源泉税率0%の国は、イギリス・インド・オーストラリア・ブラジル・香港になります。

この5カ国のADR銘柄から選ぶとNISA口座の力を存分に発揮できます。

源泉徴収がない5カ国のADR銘柄

イギリス

(出典:SBI証券)

イギリスADRは高配当企業の宝庫です。イギリス及びオーストラリアは平均的に米国を超える株主還元意識を持っています。

この中からおすすめできる優良な高配当株式を以下にピックアップします。

・アストラゼネカ(AZN)
配当利回り:2.6% 配当月:3・9月

・ブリティッシュ・アメリカン(BTI)
配当利回り:3.5% 配当月:5・10月

・グラクソ・スミス・クライン(GSK)
配当利回り:4.8% 配当月:1・4・7・10月

・ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS-B)
配当利回り:6.0% 配当月:3・6・9・12月

・リオ・ティント(RIO)
配当利回り:4.6% 配当月:2・8月

・ユニリーバ(UL)
配当利回り:2.9% 配当月:3・6・9・12月

インド

(出典:SBI証券)

インドは今後世界最大規模の人口が見込める巨大市場ですので、それだけ魅力的な企業も存在します。ただし、すべての企業が発展途上と言えるので、配当を求める投資家には向いていないかもしれません。

しかし、インドの企業にはそれに有り余る成長性が期待できます。特にHDFCバンクには注目です。

・HDFCバンク(HDB)
配当利回り:0.5%

・インフォシス(INFY)
配当利回り:3.1%

・ドクター・レディーズ(RDY)
配当利回り:0.8%

オーストラリア

(出典:SBI証券)

オーストラリアはイギリスと同様に米国を超える高い株主還元意識をもつ特徴があります。

オーストラリアは資源国であるため、資源価格が国内経済に影響を及ぼします。また、最大の貿易国である中国の景気の影響も受けます。

しかし、近年は中国の景気減速も一服して、資源価格も原油価格と同様に復調の兆しがあることから今後が期待されます。

・BHPビリトン(BHP)
配当利回り:4.1% 配当月:3・9月

・ウェストパック・バンキング(WBK)
配当利回り:5.5% 配当月:5・11月

ブラジル

(出典:SBI証券)

ブラジルも成長国として期待されます。そのため力強い成長を見せる企業が存在します。逆に、箸にも棒にもかからない企業も数多く存在するため、見極めが必要です。

ブラジル株はボラティリティが高く不安定さが目立つため、購入にはタイミングが非常に重要になってきます。中期投資を前提にバリューラインを意識すれば、凄まじい収益をあげる可能性を秘めています。

・アムベブ(ABEV)
配当利回り:2.3%

・ウルトラパール(UGP)
配当利回り:2.2%

香港

(出典:SBI証券)

韓国は今回のリストに入っていますが、SBI証券で購入できるADR銘柄には特に目星いものは見当たりません。

敢えてあげるとしたら、

・メルコリゾート(MLCO)
配当利回り:1.5%

韓国はサムスン電子に投資できないのが痛いですね。

ADRの管理手数料にも注意

ADR銘柄に投資した場合、預託証券を発行する金融機関(預託銀行)から、一定期間(おそらく四半期)毎に管理費用を徴収される場合があります。

この管理費用は1株毎に負担する額で、支払いは外国株口座の米ドル預かり金から引き落とされます。また、管理費用は銘柄毎に違い、変動もします。

なので、証券会社に問い合わせても、銘柄毎に管理費用は違うのでちゃんとした回答は得られないかもしれません。その場合は、実際にADR銘柄を購入してみて、証券会社から発行される配当金支払報告書などを確認してみるしかないでしょう。

注意するのは、配当が無くなったときでしょう。たとえ配当がなくても管理手数料だけは口座から徴収されるので、ADRで配当再投資戦略を用いる場合は、今後も配当が続く可能性の高い銘柄を選ぶことが重要です。

まとめ

NISA口座ADRを利用した配当再投資戦略は最強の組み合わせだが、以下の点に注意してADR銘柄を選ぶ。

①現地の源泉徴収率
②ADR管理手数料

例えば、ベルギーに本社を置く、酒類メーカーで時価総額世界一のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD)。

ベルギーなので現地の源泉徴収率は30%、ADRの管理手数料は「1株当たり$0.02」か「現金配当金額の6%」のうち大きいほうが徴収されます。

これだと、特定口座で受け取る実際の配当金は、国内課税も差し引いて、額面の約50%程度しかありません。NISA口座でも、実際に受け取れる配当金額は約60%となってしまいます。

逆に、イギリスに本社を置くロイヤルダッチシェル(RDS-B)のように、外国源泉徴収率0%・ADR管理手数料0%と少ない銘柄を選べば、ほぼ100%の配当金を得ることができるので、配当再投資戦略にはうってつけとなります。

ちなみに、シーゲル銘柄で有名なフィリップモリス・インターナショナル(PM)は米国株で、ADRというわけではないですが、源泉徴収率は0.2%となっています。(通常、米国では源泉徴収率10%)

フィリップモリスはアルトリアとの分社化で、事業の比率のほとんどが米国外となっているからかもしれません。

高配当の大型米国株銘柄(ADR含む)一覧表(2017/10)

2017.10.10


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